2010/10/27

【南アフリカ】ケープタウン





ケープタウンでアフリカ大陸が最後になります。
エチオピアを除いて、アフリカ縦断は意外なほど楽でした。
南下していくほど、交通や宿がよくなっていく印象です。
治安も私が思っていたほど悪くなく、黒人に対するイメージが変わりました。
見所は、民族系やサファリがメインですが、楽しめたと思います。

南アフリカの他の大都市は訪れていないのでよくわかりませんが、ケープタウンは他の旅行者の表現を借りれば、オーストラリアやニュージーランド並の発展度です。
白人をよく見かけるし、街もこれまで訪れたアフリカの都市の中では一番キレイです。
ただし、白人と黒人の格差はかなりありそうです。
レストランにいたり、車を運転しているのは大体白人で、黒人は下働きの場合が多い印象です。
とはいえ、黒人の対応は快いので面倒なことは起きません。

レンタカーを借りて、喜望峰やホールダーズ・ビーチなど、ケープ半島の見所を訪れました。
その辺は写真にコメントします。

お次は、いよいよ南米です。

--

ケープタウンはオーストラリアとかニュージーランドとか、その辺りの国と同じくらいのキレイさとクオリティだ。


黒人とかこういうアートがなければ、アフリカとは思えないなー。


撮って!っと袖を引っ張ってきた、スーパーのねーちゃん。この方はカラードといわれる、白人と黒人の混血なのかしら?


ペンギンがいるという、ホールダーズ・ビーチ。やっぱ、アフリカは動物だよな。


ウヨウヨいる。野生のペンギンは初めてだ。


直立不動で、日向ぼっこ。


お次は、喜望峰自然保護区。喜望峰目指して、軽くハイキング。


景色もなかなかいい。ロカ岬でも見たような、植物が群生している。


遂に見つけたぜ、「Cape of Good Hope」の看板。どうでもいいんだが、アフリカ最南西端ってどういう意味よ?


お次は、テーブルマウンテンへ。こいつ、1000mもあるんじゃ。レンタカーでケーブルカー乗り場まで行く。


残念ながら、この日は強風のためケーブルカーが停止していた。歩くと結構辛いと聞いて登るのやめちった。


この眺めで充分である。


ワールドカップが開催されたスタジアム。


ウォーターフロントは近代的でお洒落だぞ。ヨーロッパほど重厚な建物はないけど、オーストラリアとかと変わんないなー。日本食も食べたし、ステーキも食べたし、ワインもがぶ飲みしたし、ケープタウン、満喫しやした。


こんな感じで、アフリカ大陸縦断終了!ブエノスアイレスに飛びます!飛びます!しかしなぜ、マレーシア航空?

--
安宿情報
Cat and Moose Backpackers
305 Long Street Cape Town 8003, Cape Town Central 8001, South Africa

Ashanti Lodge Green Point
23 Antrim Road, Green Point, Cape Town

2010/10/25

【南アフリカ】ハマナス



一度ケープタウンに滞在しましたが、アフリカ最南端の岬とクジラが見られるというハマナスを目指しました。

この辺りは、公共の交通機関がありませんが、南アフリカはナミビアよりも安くレンタカーが借りられるので、最安のオペルのマニュアル車を借りることにしました。
久しぶりのマニュアルでしたが、この辺りは坂が多く初日は停車する度にエンストしてしまいました。
オートマに慣れてしまっているので、ギアチェンジがかなり面倒に感じます。

ケープタウンからのドライブコースは海岸線あり、牧草地あり、ダイナミックな山々ありで、とてもきれいです。
しかしながら、地元の人は結構飛ばしているので、こちらもついついスピードを出しすぎてしまいます。

ハマナスはクジラを観光の目玉にしていて、ホエール・クライヤーや街中にクジラの看板が多くあり、陸から簡単に見つけることができました。
水面からジャンプしないと、全体が見られないので根気が必要ですが、一日見ていたら、いいショットが撮れそうです。

--

ハマナス!街からクジラが見られるっていうんで、レンタカーを借りてやってきたぜ。


この人、ホエール・クライヤー。クジラを見つけたら、あの笛で知らせてくれるのだ。この街、観光に力入れてますな。


みなさん、クジラを見にきてます。


クジラ、結構見れるんだけど、遠いし水面にいても全体がよくわからんのです。たまに、ジャンプして飛び出してくるので、そこを狙ってショットすべし。一番よかったのがこれかなー。


こっちの方がわかりやすい。


アフリカ最南端、アグラス岬へ。途中、ダイナミックな山々がきれいっすよ。


喜望峰が最南端だと思っていたけど、違うって知らなかった。紛らわしいったらねーな。


ここか!インド洋と大西洋の切れ目なんか!こりゃすげーや。


モニュメントの後ろ。荒々しく岩に波が打ち寄せるのみ。「端」好きの俺としては、堪らないっす。


天気わりー。沈船の演出もあるぞ。


宿に帰ったら、虹が!完全版を見るのは初めて。くぐれそうだ。

--
※安宿情報
Baleens
310 10th Street, Voelklip, Hermanus, Hermanus

2010/10/15

【ナミビア】エトシャ国立公園





レンタカーツアーもようやく最終章です。

エトシャのサファリの個人的な感想は、来なくてもよかったかなといった印象でした。
ドイツ人との仲が最悪になってしまっていることを差し引いても、エキサイティング度はサマイマラにには勝てませんでした。

ヴィントフックへの道のりは、舗装されているので行きよりも楽です。
一応、無事故で帰れたことはなによりです。

お次は、アフリカ最後の国、南アフリカです。

--

とうとう来ましたエトシャ国立公園。なにが飛び出してくるのか、楽しみだ。


スプリングボックとシマウマばっかりじゃん。


おお、キリンじゃん。マサイマラのキリンとは少し模様が違う気がする。でも、チーターくらいレアアニマルが出てこないと、サファリ慣れしている俺たちを満足させることはできないぜ。


道を横切るゾウ。


まってました!ナイトサファリ。ライトアップされて幻想的だ。


シロサイのお出ましだ。


辺りを注意深く見渡してから、水をがぶ飲みするキリン。首が長いから屈むの大変そうっすね。


昼間の水辺は草食動物ばかりだ。


オリックスかな?賑わっとります。こんな感じで、エトシャのサファリは終了!

--
特別読切企画 ナミビア道中膝栗毛

【最終章 ナミブのことも、夢のまた夢】

「ナミビア」とは、こちらの言葉で「何もない」という意味だそうだ。
何もないってのが、国名の意味って、どういうことよ?
わけわかんないっすね。

翌日、意気揚々と後部座席に日本人3人が並び、エトシャ国立公園に向かった。
運転はロン(リサのこと)だ。
こいつの運転中の行儀が悪いったらありゃしない。
動物を発見して興奮のあまり、急ブレーキをかけるし、片足を座席に組みながら運転するし、やっぱ車の運転にそいつの性格が反映されるのは納得だ。
おまけに、興奮のあまり、ハンドルから手を離してしまい、助手席のソフィーが操縦するという、トンチキっぷり。
動物よりこいつら見てる方が、面白いわ。
しかも、彼女達はケープタウンの宿でカメラを失くしており、私のカメラを自分のもののように扱う始末。

呆れてモノが言えまへん。

そんなことは、どうでもいい。
つまらな過ぎるんである。
登場する動物は大量にいるシマウマやスプリングボックスなどの草食系ばかりで、既に見飽きている。
たまにキリンやゾウが登場するのだが、どうもときめきが少ない。
マサイマラ国立公園でほとんどの動物を間近で見てしまっているし、やはり初見の感動は超えられないものである。
さらにR君とEさんはボツワナのチョベ国立公園にも行っていて、ゾウの大群やカバなんかも見てきており、マサイマラより満足したという感想だし、この程度では驚きやしないのである。

駄目出しばかりで申し訳ないが、エトシャ国立公園の地形やゲームサファリのやりかたも、気分が高揚しない原因の一つといえるのだ。
まず、地形が平坦でブッシュが茂っているため、遠くまで見渡せず、動物が見つけにくい。
マサイマラは山あり、丘あり、窪地ありと起伏に富んでいて、遠望が利くので、動物を見つけやすい。
また、エトシャは道から外れて運転することが許されないので、マサイマラのように、自由に動物を探索したり、近づいたりすることができないのである。
おまけに、こちらは乾期で、公園にある巨大な池が干上がってしまっていて、水辺に集まる動物を鑑賞できない。
人工的に作ってある水場が所々あるので、そこを車で回って、水を飲みに来ている動物を狙うしか基本的にはないんである。

そんなわけで、キャーキャー騒いでるドイツ人の後ろで、日本人3人はアホ面で大爆睡になってしまった。
なんでこの日本人は寝てられるんだろう?と彼女達は訝しんだに違いないが、大騒ぎしている彼女達の前で、エトシャは大したことないんだよねー、何て決して言えないっすわ。

前述したが、ここは夜の方が面白いんである。
キャンプサイトのすぐ近くに、大きな水場が作ってあり、夜そこに集まってくる動物達を見ることができるのだ。
夕食を済ませて、ちらっと様子を窺いに行くと、おお、動物達が集まっているじゃないですか。
しかも、ゾウやキリンなどの大型動物が大量だ。
こりゃ、写真に収めねばとカメラを車に取りに行くと、ドイツ人が寝仕度をしている。
しゃーない、ここは親切に情報を提供しよう。
「水場見にいった?たくさんゾウとかきているよ」
「そうなんだ。うーん、今日は疲れたからもう寝るわ」
「あ、そうなんだ…」
はぁ、びっくらこいた。
ナイトサファリを見ないでどーすんのよ?
スラムダンクで言えば、インターハイの豊玉戦だけ見て、感動の山王戦を見なかったのと同じじゃねーか。

再度、水場へ足を運んでみると、マサイマラではチラっとしか見られなかったサイがいたのだ!
しかも、マサイマラはクロサイだったが、今回はシロサイが4,5頭もいるではないか。

ライトアップされた、夜の水場は厳粛な雰囲気だ。
動物達を脅かさないよう、見物者は音を立てずに、小声で話している。
一眼レフのシャッター音ですら気を使ってしまうくらい、静寂に包まれており、たまに大型動物が石をゴリゴリと踏んで歩いてくる足音がするくらいなのだ。


この水場は柵でキャンプサイトと区切られていて、ベンチに座ってじっくりと動物と対面できるし、すぐ近くに立てられたロッジの宿泊者は窓から動物が見れてしまうという贅沢な仕掛けになっているのだ。
これを見逃すとは、あの子達は何を考えてんだろ?
バシバシ写真を撮って、日本人一同大満足で床に就いた。

次の日は、もうこれ以上見るものはないと判断し、我々はキャンプサイトに残り、彼女達だけでゲームドライブをしてもらうことにした。

後は、ヴィントフックに帰るだけだ。
あー、長かった。

この彼女達との顛末は自分の中でどう始末をつけようか考えてみた。
もはや滑稽劇にするか、なかったことにするしかない。
私は、前者を選ぶことにした。
彼女達には後者を選んでもらうことにする。

エトシャ国立公園からヴィントフックへは、道が舗装されているので、サクっと帰ることができた。
ヴィントフックに帰ってから、キャンプ用品を返したり、レンタカーを返したりとする中で、一々彼女達にはイチャモンつけられたりしたが、もはや瑣末なことなので、ここで言及はしない。

ケープタウン行きのバスが出る日まで、特にやることはなかった。
宿では、お互い口も利いていない。
話かけてきたのは、彼女達からだった。
「ねぇ、あなたの写真このSDカードに全部いれてくれない?」
カメラを失くしているので、これまでの写真は全部私のカメラで撮っていたのだ。
「あぁ」
と、一応、返事をしておいたものの、どうも気が進まない。
あれだけの仕置きをされているし、そもそも写真をあげる義理なんかないのである。

しばらくして、空のSDカードを返してやると、写真の中身をチェックしたいと言って来る。
ぐむむむ、抜け目ない奴だ…
ここで、私は一考を講じた。
私の持っているSDカードに写真を入れ、あらかじめノートPCに差しておき、たまさか彼女達のSDカードの写真を見ているようにして、空であることがバレないようにしたのだ。
ぐーむ、我ながら愚行をしたかなと思いつつも、彼女達に気苦労させられたR君もEさんも同じ思いだった。

これで、彼女達のナミビアの思い出は、夢のまた夢になった。
「ナミビア」だけに、何も無しだ!

こんな感じで、ナミビア道中膝栗毛は終幕っす。

気を取り直して、アフリカ最後の地、ケープタウンに行ってきマッスル。
さいならっきょ!

※時折、怒りのあまり、乱文、いささかはしたない表現を使ってしまったが、勘弁してくれい。

2010/10/13

【ナミビア】エトシャ国立公園付近



エトシャ国立公園外にあるキャンプサイトでダラダラ過ごしただけです。

ここで、恐れていた日独戦争が勃発しました。
一部始終は「ナミビア道中膝栗毛」でどうぞ。

--

いつのまに、こんなにズタズタになった?R君が気づかなきゃ、ヤバかったなー。


で、でました!ヒンバ族。スーパーで買い物している所をパチリ。ってか、なんで直立不動なんだ?なかなか衣装は凝っているし、カッコイイ…かも。


ムルシ族と同様、こいつらも臭いし、金の亡者だ。いちいち、撮影代をあげなければならない。しゃーないな。肌が赤茶色なのは、蚊除けに泥を塗ったくっているからだ。少しだけ腕に塗ってもらいやした。


エトシャ国立公園外にある、キャンプサイト。プールまであって、なかなか居心地がよい。何にもないのに、ここで2日も過ごしました。


ウェルカムドリンクもあるし、レストランもあるし、サービスは充実している。ナミビアで意外だなー。


あまりにも暇なんで、テントを撮ってみた。ここまでくると、テント設営も手馴れたもんだ。

--
特別読切企画 ナミビア道中膝栗毛

【第六章 ロンが吼える!】

こいつら、ほとんど働かない。
テントなんかこれまで1回しかたてずに、いつも車の中で寝ているし、ほとんどガスバーナーを使った調理をせず、パンばかりかじっている。
まぁ、使ってないテントを私が独り占めできるのでいいのだが。
この辺はこちらとしては無害なのでよいのだが、車への荷物の積載の時はひどい。
ほとんど、日本人チームがやっていて、あいつらは、ダラダラと準備して車に乗るだけだ。

2人の担当は明確だ。
ソフィーはアイドル的な見てくれと、よく回る舌を活かした喋り担当、リサは自分をわきまえているのか、英語がそんなに喋れないのか、はたまた下品な笑い方で悪印象与えないようにしているのか知らないが、ヤクザの親分の様にソフィーの後ろで構えているだけの沈黙担当だ。

出発前にE君が、車のチェックをし始めた。
さすが、元レンタカー勤務、こんなもん朝飯前だぜって感じだな。
その折、タイヤがバースト寸前になっているのを発見した。
タイヤのゴムが酷く擦り切れていて、大きく削り取られていたのだ。
こりゃ、気づかなかったらやばかったね。
というわけで、エトシャに行く道すがら、タイヤ交換をする羽目になった。

途中、スペアタイヤに交換したり、新しいタイヤを購入したりと、無駄足を踏んだが、エトシャ国立公園に通ずる幹線道路に入り、久しぶりの舗装道路になって、ドライブが快適になってきた。

これまで、なんだかんだあったが、思ったより順調に移動できていたし、ヒンバ族の村があるオプオという街は、「別に行かなくてもいっか、ヒンバ族はその辺でも見られるし」と全員一致したので、8泊9日の予定より早く切り上げられそうだ。
残りは、エトシャ国立公園のサファリで、今日、公園外に1泊、明後日、公園内に1泊、公園がしょぼかったら2日後には、ヴィントフックへ帰れそうだ。

今日もR君の運転で、ぼちぼち公園の近くのキャンプサイトに着くころだった。
「あんたたち、どこ向かってんの?」
「ああ、今、この道を進んでいる。一応、このキャンプサイトでいいかなと思っているが」
「何言ってんの!私達はこのキャンプサイトがいいって言ったじゃない!」
いきなりバカ娘達が激高し始めた。
なんのことやら、わけがわからん、私とR君。
そんなこと知らんかったが、言った言わないの議論なんて、無駄以外の何モノでもない。
既にサファリに半ば興味のない私にとって、エトシャ国立公園は消化試合のようなものだ。
どこに泊まろうが、好きにしてくれって感じだ。

我々の一挙手一投足が彼女達の勘に触るらしい。
もはや、嫁、姑の関係だ。
あ゛ー、こいつらをチョイスしたのはそもそもの間違えだったかもなー。
お金以外のメリットがないし、そもそも楽しくないんである。

そんな後悔が、現実のものとなる。

就寝前に、明日の出発時間を打ち合わせようと、バカ娘のところへ行ってみた。

「明日、何時ころ公園に行く?」
「はぁ?何言ってんの?もう一泊ここに泊まるのよ。言ったじゃない!プールでリラックスするのよ」

またしてもこいつら激高、日本人一同、唖然。

「R君に絶対言ったわ。あなたOKと言ったじゃないのよ!」
「そんなの俺は聞いていないぞ。何いいよっとー」
と、R君は抗議。
私よりR君のヒアリングの方が信頼できるし、そもそも私とEさんはその話を聞いていない。
「この子ら、何いってはんの!」
Eさんも、マジ切れ5秒前。

あー、面倒くせーなこのクソガキ。

「つーか、このキャンプサイトで一日何するつもり?やることねーじゃん」
と尋ねる私。
「サファリの情報もないし、明日情報収集するのよ。どこに動物いるかしらないでしょ」
と答えるソフィー。相変わらず、ハリーポッターのロン似のリサは憮然として黙っている。
「それ、一日もかからんだろ。それに一泊無駄にするより、さっさとレンタカー帰したほうが安くつくんじゃね?」
「私達はアフリカをエンジョイしたいの!もう、アフリカに来ることないかもしれないのよ!ここにはドイツ人がたくさん来るから、いろんな情報が私達は手に入れられるの。例えば、この周辺にある、ローカルな村とかとても興味があるのよ!」
「ぷっ…」
思わず笑ってしまった。
そもそも私の質問に答えられてないし、議論の焦点がずれてきている。
最初はプールでリラックスって言ってたくせに、あまりにも子供じみていて、反論の言葉が思い浮かばないぜ…
「ヴィントフックに早く帰っても何もないわ!」
キャンキャンと子犬のように騒ぐソフィー。
それを見ているだけで、私は可笑しくて堪らないんである。

もちろんEさんもR君も、明日の一日を無駄にはしたくないのである。
そもそも、エトシャにそんなに期待をしていない我々だが、運転するのも我々である。
うーむと考えた挙句、我々のドライブのせいで、動物が見られなかったとか、後で文句言われるのも嫌だし、ここは交換条件で、そのリスクをヘッジすることにした。

「じゃあ、お前ら明日、どこに動物がいるのか情報収集をして、サファリ中にナビゲートしろ。」
「わかったわ。」

どーせ、あいつら、大半はプールでダラダラしているだけだろうけど、こちらで公園内のコースを決めたりする手間が省けたし、まあよかろう。
しっかし、あいつら、自分の主張だけは一丁前にするし、まったくもって友好的でない。
まるで、バカな中高生のギャルを引率しているようだ。
もちろん、こちらの英語のコミュニケーション能力が不足していることは否めない。
日本人特有の、察しと思いやりとか、本音と建前とか、西洋の慣習にはないものがあるのも確かだ。
しかし、同じ旅行者、同じ車に乗っているわけから、お互い歩み寄って然るべきだろう。
これまで、様々な国と地域からやって来ている旅行者に会ってきたが、多かれ少なかれお互いそのように認識していたはずだ。

そんなことより、明日何しよ。
俺達もプールでボサっとするしかねーじゃんよ。


翌日…

キャンプサイトの周りはサバンナでスーパーやネットカフェも何にもない。
ここで一日過ごすって、プールサイドで寝てるしかないのだ。
水着に着替え、パソコンやらガイドブックを持って、プールに行くと、あのお二方も既にいて、リクライニングチェアに体を横たえていた。
もち、お互い口も利かない。

こりゃ、冷戦状態だ。ぶるぶるぶる…

暑い中、プールに飛び込んで、横になっていると、毎日移動だったし、今日はのんびりしてよかったかもなー、という気になってきた。

当初の予定の1泊分の食料が浮く計算で準備していたので、明日以降少し足りないことがわかった。
よっしゃ、ここは奮発してキャンプサイトのレストランで頂くことにしよう、と日本人満場一致で決まった。
キャンプサイトのレストランは日本やヨーロッパのそれとほとんど変わらない店構えで、バンドの演奏まで付くときている。
しかも、ビュッフェで食べ放題だ。
毎日パスタパスタパスタで、もはやパスタが嫌いになりそうなくらい食っていたし、ヨーロッパ以来まともの西洋料理など口にしていない我々は、久しぶりのまともな食事に舌鼓を打った。
人間、たまにはこういう贅沢も必要だよなー、と改めて実感。

さてと、夜も更けてきたことだし、明日のサファリの予定とこれまで、ガソリン代やらを立て替えていたので、奴らに請求しないとな、と思い、ソフィーのテントのところへ行った。

あいつら、どれだけすごい情報を収集したのかと思いきや、トイレの場所とランチを取る場所を決めていただけだった。
おまけに、彼女達が当初どうしても泊まりたいといっていた、ハラリというキャンプサイトに変えて、違うところに泊まりたいと言っている。
どんだけ予定変更すれば気が済むんだ?

まぁ、いい。エトシャなんぞ大して期待していない。
我々の情報収集によると、夜に水場に集まってくる動物達を見るのがハイライトと聞いているし。

次に、これまでにかかった経費を清算してもらおうと、計算した紙を出した。
その瞬間、いつも黙っていたリサがビクっと反応した。
「このポリスって何よ?」
はっとした顔で、ソフィーも紙を覗き込む。
セスリムで無灯火の罰金を受けたので、そいつも5人で割ろうと思ったのだ。

「何考えてんの!あんたが罰金を受けたんだから、あんたが払いなさい!」

悪鬼の面でソフィーが激高し始めた。
平素、仏のtakaさんと言われている私も、さすがに頭にきた。
「ふざけんな、なんでR君一人が払わなければならない?我々はドライバーの持つこういったリスクを共有しなければならない」

R君をふと見ると、頭髪が黄金に輝いていた。
おお、遂に伝説のスーパーサイヤ人に覚醒するのか!覚醒してしまうのか!!
と思ったら、街灯が反射しているだけだった。
いや、ここにいる日本人3人はもはや、怒り心頭に発していて、スーパーサイヤ人に覚醒するに充分だ。

「そうだ、俺達はお前らのタクシーじゃないんだよ!」
とR君。
まったくもって、その通りだ。
2日目は私が運転したが、なにを隠そうその後はR君に任せきりだった。
がんばって運転しているR君に対して、いつも爆睡しているこいつらは、「Thank you for driving」の一言もない。
ドライバーに対してあんまりだろう。

「無灯火なんて、基本的なミスでしょ?教習所で習わなかったの?スピードもかなり出していたし、あれほどスピードを緩めてといったでしょ!」
また、トンチキなことを言い始めて、論点がズレ始めた。
論点も戻そうとギャーギャーと騒いでいるうちに、Eさんが日本語でキレた。
「もうえーわ!あんたらが出さへんのなら、うちが払ったるわ!」
と、金を取り出してぶちまけた。
これは、奴らにも伝わった様で、
「あなたが払う必要はないわ!なんで??」
と慌てふためく始末。

なんか、子供じみていて、怒りよりもむしろ可笑しみの方が沸いてきてしまうのだ。
へへっ、と笑うと、火に油を注いでしまったようで、「何笑ってんのよ!」と、この子達はさらにヒートアップしてくる。

あー、もう疲れてきた。
しゃーない、リスクを共有できないのなら、リスクを背負ってもらおう。
この究極の選択にどう出てくるのか?

「払わないのなら、俺達はもう運転しない。お前らが明日からヴィントフックまで運転しろや。そうじゃないと、フェアじゃないだろ?」
と言ってやると、その瞬間、普段沈黙しているリサ(ロン)がの猛獣のように咆哮した。

「◎△※□◎△※□◎△※□!!!!!!」

「!!」

驚きのあまり日本人一同、顔を見合わせた。
しかもドイツ語だったので、何言っているか全然わからん。

それに乗じた形で、ソフィーは
「わかったわよ!運転するわよ!」
と、承諾した。

あらららー、承諾しちゃったよって感じ。
たった、600円程度の支払いを渋って、運転するリスクを取るとは。
しかも、レンタカーの規約を破ってまでである。

そんなこんなで、明日以降俺達は後部座席でお客さん状態でサファリを楽しめる。
だいぶイラっとしたが、なんか結果オーライじゃね?

ポリス代の除いた分は無事回収し、就寝。

今後、日独の邂逅は果たしてあるのか?

【最終章 愛は国境を越える ~We are the world~ (仮)】

としておこう。お楽しみに♪

2010/10/11

【ナミビア】トゥェイフェルフォンテン



レンタカーツアーも中盤です。
とりあえず、私が見たかったところは観光が終わったので、後は消化試合といった感じです。

2日目は私が運転しましたが、それ以外はR君に運転してもらっているので、隣でナビをすればいいだけなので楽チンです。
やはり、ダート道をカローラで回るのは、結構きついものがあります。
振動がモロに伝わり、スリップやスタックの恐怖があるので、かなり気を使います。

テントで寝るのも疲れてきました。
乾燥しているためか、昼夜の寒暖の差が大きいのも、ストレスフルです。
早く終わんないかな、このツアー…。

残り、エトシャ国立公園だけです。

--

ケープクロス!これ、全部オットセイ。すげー数だな。写真の左右にもさらに拡がっておりまする。


親が子供を見分けるために、臭いを発しているんだそうだが、エライ臭い。段々、気分が悪くなってきたぜ。


なんとなく、かわいいっすね。


ナミビア唯一の世界遺産、トゥェイフェルフォンテンの壁画だ。ドキドキ…


壁画といっても、石に削られているらしく、自分で探さなければならない。


こいつには何も描かれていないな…


まさか、これじゃないよな?落書きにしか見えん。


おおー、発見!なんじゃこりゃ。薄すぎてよくわからん…。これ、世界遺産にする価値あんのか?


キャンプサイトの夕日。後は、エトシャ国立公園を残すのみ。これ以上、あいつらとの軋轢が深まらなきゃいいけど。ほいじゃ、おやすみ。

--
特別読切企画 ナミビア道中膝栗毛

【五章 リッチ・ガイ】

実は、私が見たかったところはこれから行く予定の、ケープクロスでめでたく終了の予定。
またこいつらがグズらなけりゃいいが…

朝、宿を出発し、R君の運転で順調にケープクロスへ向かっていた。
スワコップムントから2時間くらいで行けるので楽勝だ。
深夜まで飲んだくれていた二人は後部座席でスヤスヤ眠っている。
なんでも、街でリッチ・ガイに話しかけられて、BBQやらなんかを奢ってもらったらしい。
金に吊られただけじゃねーか。
そんなことしてんなら、ムーランドスケープいけばよかったじゃん、とは言えないなぁ。

ケープクロスはオットセイの生息地で、何万頭もいるらしい、ということでやってきた。
車から降りた瞬間、おえっー、臭え、臭すぎる…
波打ち際に大量のオットセイが、体を横たえていた。
見ごたえは十分だけどさ、ニオイがキツ過ぎるぜ。

お次はトゥェイフェルフォンテンを目指した。
エトシャ国立公園に行く道すがらなので、遠回りにもならない。
途中、二日酔いにオットセイの悪臭を嗅いで気分が悪くなったソフィーが、道端でゲーゲー吐き出した。
ほれ、言わんこっちゃない。

トゥェイフェルフォンテンはブッシュマンが書いた壁画で、ナミビアで唯一世界遺産に登録されており、Eさんの希望で訪れてみた。
はっきりいって、まったくよさがわからんのである。
岩にうっすらと動物のシルエットが小さく彫り付けられているだけで、しかもどこにあるのか岩場を探索しなければならない。

「これ、今までの世界遺産の中で、最低ランクっすわ」
「えー、うそー、それは私に失礼やわ!探すのとかおもろいやろ~」

と、Eさん少々ご立腹。
これを彫った人より、この広大で荒れた岩場の中からこの絵を見つけた人の方がすげーよ。

こういった観光地の見学は基本、ドイツ人とは別行動。
すたこらと壁画の見学を終わらせて、遅い昼食を取っていると、彼女達がどこかの観光客とキャピキャピ話しながら帰ってきた。
そちらの観光客は、これからこの周辺でゾウを探しながら、サンセットを見るといっている。
どうやら彼女達もそれに参加したいようだ。
「君達もどうだい?」
と、誘ってくるが、あいつらが行くなら俺達も着いていくしかねーだろ。
私としては、日が暮れる前にキャンプサイトを探して、テント立てて、さっさとビールと洒落込みたいところなんだが。

「どーすんの、早く決めなさいよ!」

と、我々を囃し立てる。
外面がいいってのはこういうことを言うんだな。

彼女達はちゃっかり向こうの四駆に乗り込み、カローラでサバンナの中を着いていく。
途中、小高い岩山に上ってゾウを探したが、結局足跡しか見つからない始末。
とんだ、無駄足だったぜ。

その後、トゥェイフェルフォンテン近くのキャンプサイトを探し当てて、投宿。
今日も疲れたんで、さっさと寝ますかー。